KEY PERSON INTERVIEW

ライフサイエンスの“ハブ形成”を牽引するLINK-J 事務局長・曽山氏への取材

2016年の設立以来、日本橋内外のライフサイエンス領域の様々なプレイヤーを繋ぎ、コミュニティ構築を図ってきたLINK-J。その事務局長として、国内外を飛び回る曽山氏を取材しました。

曽山 明彦
LINK-J 理事兼事務局長

東京大学理学部物理学科卒業。 通商産業省(現・経済産業省)入省。 人事院長期在外研究員として米国コロンビア大学大学院卒業(MBA)。 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社ヴァイスプレジデント及び複数の欧米系医療機器企業の日本法人社長を歴任。2016年3月より現職。
東北大学特任教授、厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議構成員、神戸市や札幌市のアドバイザー他も務める。

LINK-Jの設立経緯

世界各国から11企業団体が日本橋に集結し、ライフサイエンス・スタートアップの可能性を紹介

LINK-Jは、日本橋の街づくりを推進する三井不動産と産学の有志によって、「人と情報の交流プラットフォーム」を目指して設立されました。理事長には慶應義塾大学医学部の岡野栄之教授、副理事長には大阪大学の澤芳樹教授が就き、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長を運営諮問委員会特別委員に迎え、豊富なネットワークや知識を有する国内外の多くの研究者や企業の賛同によって始動しました。
私は以前、ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)でヴァイスプレジデントを務め、複数の欧米医療機器メーカーにて日本法人社長を歴任しました。その時より、ライフサイエンス領域のイノベーション創出の難しさは肌で感じていましたが、製薬大手が集積し、国内外からのアクセスしやすい日本橋でなら、産官学連携が実現してイノベーションを生み出せそうと期待して参画しました。

LINK-Jの活動実績

世界各国から11企業団体が日本橋に集結し、ライフサイエンス・スタートアップの可能性を紹介

「交流・連携」面では、大学や企業と連携しながら、ライフサイエンス領域に関連した多様なイベントを2019年は年500件ほど開催。また、日本橋だけで10か所の施設・拠点があり、大学や製薬会社、スタートアップなどが約130社、テナントとして入居しています。

「育成・支援」では、アクセラレーションプログラム等を提供。AI問診サービスを提供するUbie株式会社(資金調達総額20億円)や、国産初の脳血管血栓除去デバイスを開発した株式会社バイオメディカルソリューションズが輩出されました。

ライフサイエンス企業が日本橋でイベントをする利点

ピッチイベントの継続的な開催を通じてスタートアップの底上げを図る

LINK-Jの豊富なネットワークを活かして、今まで接点の無かった領域・職種の人や組織と出会う機会をご用意します。ライフサイエンス系の研究者や企業にとって、「ここに来れば、きっと新たな収穫がある」、そう感じられるのが日本橋なのです。 “トップレベルで研究している企業や機関に会いたい” “アイディアはあるが、実用化のノウハウが無くて困っている” “海外・日本市場に進出したい”といった声にLINK-Jは喜んでお応えしています。

日本橋は、報奨・視察旅行として一度訪れるのにもいいでしょう。製薬大手のオフィスや、美味しいレストランや賑やかな商業施設が集積しており、ビジネスとエンターテインメントが入り混じる現代的な滞在体験ができるはずです。皆さんとお会いできる日が来ることを楽しみにしています。